小田急線は、新宿から小田原・箱根、江の島、多摩ニュータウン方面へ伸びる、小田原線・江ノ島線・多摩線の総称です。
全70駅・120.5kmの沿線には、下北沢の街歩き、江の島の海、小田原の城下町、箱根の温泉など、日帰りでも行き先を変えられる幅があります。
一方で、「小田急線と小田原線は違うのか」「ロマンスカーは普通のきっぷだけで乗れるのか」など、初めて使うと迷いやすい点もあります。
小田急線で箱根・江の島へ出かけてきた僕が、3路線の違いから沿線観光、乗る前の注意まで解説します。
小田急線とは?3路線・70駅の基本情報

小田急線は、神奈川西部・湘南・多摩へ広がる3路線で構成されています。
小田急電鉄の2025年度実績では、全70駅を1日約196万人が利用しており、通勤・通学と観光の両方を支える路線です。
| 路線 | 区間・営業キロ |
|---|---|
| 小田原線 | 新宿~小田原/82.5km |
| 江ノ島線 | 相模大野~片瀬江ノ島/27.4km |
| 多摩線 | 新百合ヶ丘~唐木田/10.6km |
小田原線|新宿から小田原・箱根方面へ向かう本線

小田原線は、新宿駅から小田原駅まで82.5kmを結ぶ、小田急線の中心となる路線です。
下北沢・成城学園前・町田・海老名・本厚木などの生活拠点を通り、伊勢原では大山、小田原では箱根登山線へ乗り継げます。
同じ路線で街歩きから温泉へ行けるため、途中下車を含む日帰り旅にも向いています。
りゅか新宿から西へ進むほど、街歩き・自然・温泉へ景色が切り替わっていくのが小田原線のおもしろさです。
小田原駅からは箱根登山線へ直通する列車もあり、終点の表示が「箱根湯本」なら小田原で降りずに進めます。
江ノ島線|相模大野から湘南・江の島へ向かう路線

江ノ島線は、相模大野駅から片瀬江ノ島駅まで27.4kmを結び、藤沢・大和・湘南台などを通ります。
相模大野で小田原線から分かれ、藤沢から江ノ電へ乗り換えれば鎌倉方面まで旅程を延ばせます。
新宿方面から海辺へ電車でつながるため、片瀬江ノ島を起点に海・水族館・江の島散策をまとめたい日に使いやすい路線です。
片瀬江ノ島駅と江ノ電の江ノ島駅は別の駅なので、鎌倉へ進む日は藤沢乗り換えか徒歩連絡かを旅程に合わせて選びます。
多摩線|新百合ヶ丘から多摩ニュータウンへ向かう路線

多摩線は、新百合ヶ丘駅から唐木田駅まで10.6kmを結び、小田急永山・小田急多摩センターを経由します。
多摩ニュータウンの通勤・通学を支える一方、小田急多摩センター駅からはサンリオピューロランド、多摩中央公園、パルテノン多摩へ歩けます。
生活路線と家族向け施設が近いため、都心の混雑を避けて半日過ごしたいときにも候補になります。
多摩線へは新百合ヶ丘で分かれるため、新宿方面からの列車が唐木田まで直通するか、同駅で乗り換えるかを案内表示で見分けます。
小田急線の特徴・強み4つ

小田急線の強みは、生活圏と観光地を同じ路線網で結ぶ点です。
- 新宿から住宅地・郊外都市・観光地まで路線網が続く
- 東京メトロ・JR・箱根登山線・御殿場線へ直通する
- 複々線と複数の列車種別で近距離・遠距離を分ける
- ロマンスカーを観光だけでなく通勤にも使える
都心・生活圏・観光地を1つの路線網で結ぶ
新宿・下北沢の都市エリアから、町田・海老名・本厚木などの生活拠点を経て、小田原・箱根や江の島へつながるのが小田急線です。
普段使いの駅と休日の行き先が同じ路線上にあるため、大きな乗り換えを増やさず、街歩き・自然・温泉から目的を選べます。
沿線の幅が広いぶん、行き先を決めるときは「海なら江ノ島線」「箱根や大山なら小田原線」「多摩なら多摩線」と路線から絞ると早く決まります。
沿線の中間駅を目的にする日も、最寄りの急行停車駅と各駅停車の接続を先に見ると移動時間を組み立てやすくなります。
地下鉄・JR・箱根方面へ直通する
代々木上原からは東京メトロ千代田線とJR常磐線各駅停車へ入り、小田原方面では箱根登山線、ロマンスカーの一部はJR御殿場線へ乗り入れます。
都心直通と観光直通の両方があることが、通勤と旅行の両方での使いやすさにつながっています。
同じホームでも行き先と直通先が異なるため、慣れない駅では列車種別だけでなく終点まで見ると乗り間違いを避けられます。
直通運転は乗り換えを減らせますが、他社線内の運賃も含むため、小田急線だけの運賃とは支払額が変わります。
複々線と列車種別で近距離・遠距離を分ける
東北沢~和泉多摩川間では4本の線路を使い、各駅停車と速達列車を走り分けています。
各駅停車・通勤準急・準急・急行・通勤急行・快速急行などがあり、停車駅の多い列車と遠方へ先行する列車で役割が異なります。
急行系と各停を乗り継ぐと、沿線の細かな駅にも時間をかけすぎず向かえます。
目的駅に速達列車が停まらない場合も、接続駅で同じホームまたは近いホームから各駅停車へ移れる案内が多く、移動距離と待ち時間を分けて考えられます。
ロマンスカーを観光にも通勤にも使える

ロマンスカーは箱根・江の島方面への観光特急である一方、朝のモーニングウェイや夕夜間のホームウェイとして通勤にも使われます。
全席指定なので、混雑時間帯でも席を確保し、荷物を足元に置いて移動できます。
移動時間を休憩や旅の時間へ変えられることが、普通列車にはない小田急線の特徴です。
指定席なので、乗車前に飲み物や荷物を整えておけば、車内で立ち位置を探さず到着までの時間を使えます。
小田急ロマンスカーとは?普通列車との違い

小田急ロマンスカーは、全席指定で観光地を結ぶ特急です。
普通列車と違い、立って乗る前提ではなく座席を予約してから乗車します。
現在は展望席を持つGSE、地下鉄へ直通できるMSE、輸送力のあるEXE・EXEαが運行されています。
| 車型 | 主な特徴 |
|---|---|
| GSE | 展望席と大きな窓を備える観光向け車両 |
| MSE | 東京メトロ千代田線へ直通できる車両 |
| EXE・EXEα | 座席数が多く通勤特急でも使われる車両 |



GSEの展望席は、前面の大きな一枚ガラス越しに線路と沿線風景を正面から見られる座席です。

別に特急券が必要で、展望席も通常の特急料金で予約します。
電子特急券には窓口・券売機より50円安いチケットレス特急料金が適用され、発券せずに乗車できます。
りゅか展望席を狙う日だけでなく、箱根へ着く前に体力を残したい日もロマンスカーを選ぶ理由になります。
新型ロマンスカー・80000形は2029年3月に就役予定

小田急電鉄は、2023年に引退したVSE(50000形)の後継として、新型ロマンスカー・80000形を開発しています。
7両編成の先頭車には展望席と雫のような大型曲面ガラスを設け、2029年3月の就役を予定しています。
開発コンセプトは「きらめき走れ、ロマンスカー」で、水をテーマにした外観と車内空間を計画しています。
現時点では乗車できませんので、今の旅行ではGSE・MSE・EXEα・EXEの現行4車種から予約します。
小田急線沿線の観光・おでかけ5エリア

小田急線沿線では、5種類の過ごし方を駅から選べるのが特徴です。
新宿・下北沢|買い物と街歩き

新宿は小田急線の起点で、百貨店・飲食店・映画館などを駅周辺で回れるエリアです。
数駅先の下北沢では、古着店・小劇場・ライブハウス・個人店が集まり、大きな商業施設とは違う街歩きができます。
移動時間を短くして店や食事へ時間を回したい日は、新宿と下北沢を同日に巡ると予定を組みやすくなります。
夕方以降に新宿へ戻る日は、下北沢で食事を足すか、そのまま急行系へ乗るかを決めると、街歩きの終了時刻を合わせやすくなります。
江の島・湘南|海と水族館
江ノ島線の終点・片瀬江ノ島駅からは、片瀬海岸、新江ノ島水族館、江の島の参道へ歩いて向かえます。
藤沢で江ノ電へ乗り換えれば、鎌倉や長谷方面を含む周遊へ広げられます。
駅から海・食事・観光を歩いて回れるため、車を使わない日帰りデートや家族のおでかけに向くエリアです。
りゅか片瀬江ノ島駅は竜宮城を思わせる駅舎なので、到着した時点から海辺への気分が切り替わります。
海水浴の時期以外も、島内の神社・展望施設・商店街を中心にすれば、泳がない日でも半日から1日の行程を作れます。
箱根|温泉と周遊観光

小田原から箱根登山線へ入り、箱根湯本を起点に強羅・大涌谷・芦ノ湖方面へ進むと、温泉と山の観光をまとめられます。
新宿から箱根湯本までロマンスカーで乗り換えずに行けるため、荷物がある日も移動回数を抑えられます。
箱根の主要交通をまとめて巡るなら、区間ごとに払うより箱根フリーパスが合うかを先に計算すると旅費を判断しやすくなります。

小田原|城下町と海鮮
小田原駅から徒歩圏には小田原城と城址公園があり、駅周辺では地魚・かまぼこ・干物などの食事や買い物ができます。
箱根へ急ぐ通過駅にせず、小田原で数時間降りると、城下町の散策と海の味を旅程へ足せます。
駅から歩いて歴史と食を回収できるため、長い山歩きを避けたい日や、箱根旅行の往路・復路に立ち寄る場所として使いやすいエリアです。
小田原駅は新幹線も接続するため、遠方から箱根へ向かう人との合流地点にすると、それぞれの出発地が違っても旅程をそろえやすくなります。
多摩・大山|公園と自然

小田急多摩センター周辺では多摩中央公園やサンリオピューロランド、伊勢原からバスで向かう大山では参道・ケーブルカー・阿夫利神社を巡れます。
同じ自然系でも、多摩は駅周辺で公園と施設を回りやすく、大山は坂道や山の移動を含むため、必要な時間と靴が変わります。
公園と山歩きを分けて選べるのが郊外エリアの利点です。
沿線で入浴やサウナまで組み込みたい場合は、駅・徒歩・送迎・路線バス別に29施設を整理した記事から候補を絞れます。

初めて小田急線に乗る前に知っておきたいこと
初めて乗るときは、列車種別・行き先・追加料金の3点を先に見ると迷いにくくなります。
列車種別だけでなく行き先まで確認する
小田急線は各駅停車から快速急行まで複数の種別があり、時間帯や路線で運転区間が異なるため、種別と行き先をセットで見る必要があります。
途中駅で各駅停車へ接続する列車もあるため、最速の種別を待つより、先に来る列車と乗り継ぎを見たほうが早い場合があります。
直通先で行き先が分かれるので、ホーム表示と車内表示で終点を確かめると乗り間違いを防げます。
朝夕は通勤向け種別が加わるため、休日昼間の停車パターンをそのまま平日の予定へ当てはめないほうが安全です。
最新の時刻・停車駅は小田急アプリで確認する
ダイヤ改正や運行状況で発車時刻・接続は変わるため、記事内へ個別列車の時刻を固定するより、出発日に公式情報を見るほうが確実です。
小田急アプリでは列車の走行位置、発車時刻、途中駅での接続、遅延時分、混雑予報を確認できます。
乗る直前に現在地と接続まで一画面で見られるため、慣れない駅で案内板を探し続けずに済みます。
運行トラブル時も列車位置と遅延見込みが分かれば、駅で待つか別経路へ変えるかを到着前に判断できます。
観光範囲が広い日は周遊きっぷを比べる
小田急では箱根フリーパス、江の島・鎌倉フリーパスなど、往復と現地交通をまとめたお得なきっぷを販売しています。
周遊きっぷは持つだけで必ず安くなるものではなく、現地で乗る交通機関と通常運賃の合計で向き不向きが分かれます。
広域周遊はパス、1エリアは通常運賃を基準にすると、使わない乗り物へ先払いする失敗を減らせます。
購入後の画面提示や同行者の扱いは商品ごとに異なるため、デジタル券を使う日は公式の商品説明まで読むと改札前で慌てません。
小田急線についてよくある質問
ここでは、初めて乗る人が迷いやすい疑問を3つに絞って回答します。
Q1. 小田急線とは何線ですか?
小田急線は、小田原線・江ノ島線・多摩線の3路線の総称です。
新宿~小田原を結ぶ小田原線を軸に、相模大野から江の島方面、新百合ヶ丘から多摩ニュータウン方面へ枝分かれします。
Q2. 小田急線と小田原線の違いは何ですか?
小田急線は3路線の総称です。
案内や会話では3路線をまとめて「小田急線」と呼ぶことが多いため、目的地の路線名と行き先を一緒に見ると迷いにくくなります。
Q3. 小田急線はJRですか?
小田急線はJRではなく、小田急電鉄が運営する大手私鉄です。
一部列車は東京メトロ千代田線とJR常磐線各駅停車へ直通するため、同じ列車のまま別会社の区間へ入ることがあります。
Q4. ロマンスカーは普通のきっぷだけで乗れますか?
ロマンスカーは全席指定の特急列車です。
乗車券やICカードとは別に特急券が必要です。
全席指定のため、乗る列車と座席を決めてから購入します。
電子特急券には窓口・券売機より50円安いチケットレス特急料金が適用されます。
まとめ
小田急線は、3路線で都心と観光地を結ぶ私鉄です。
まず路線と行き先を決め、座席を確保したい移動はロマンスカー、現地で広く周遊する日はフリーパスを比べると、移動と過ごし方を同時に組み立てられます。
街歩き、海、温泉、城下町、自然のどれを優先するか決めたら、この記事の各エリアと関連記事から次の休日の行き先を絞ってみてください。


